読書の醍醐味っていうのは、知識が増えることもあるのですが、僕は
『自分の知らない世界を疑似体験できること』
だと思っています。
最近は3人目の子供が生まれてまだ間もないこともあって、家でガッツリ読書っていう時間が中々とれません。
会社から帰って子供たちにご飯食べさせて、風呂入れて、寝かしつけて、、、ってしていると、気づいたら22時くらいになっていたり…。
なので、最近は仕事の合間や、家事の隙間時間にサクッとスマホで読めるものを選びがちです。
で、最近Amazonを徘徊していたら、なんだか妙に気になって購入したのがコチラ。
もう作者が『カレー沢』っていう時点で、クセの強そうな、僕の知らない世界を見せてくれそうな感じがして購入しました。
読み出してみてその予感は的中。
基本的に短編のコラムが寄せ集められているという構成なのですが、全編通して自分の好きなソシャゲ(ソーシャルゲーム)に出てくる『推し(好きなキャラ)』の話を延々としています。
その熱量が半端ない。
その『推しキャラ』を出すために、何十万円もガチャにぶっ込んで、それでも推しが出れば
「無課金、いやむしろ黒字」
と言い切るメンタリティ。
30歳をとっくに過ぎた大人が、ここまでスマホゲームに入れ込む理由がまったく理解できない…。でもそれが面白い。
ここまで好きなことを突き詰められるっていうのは、内容はドロドロしているのに読んでいて清々しいです。
こうなりたい、、、とは思わないですが、何かに没頭することっていうのはこういうことか、と教えられます。
そして、文章自体も面白いです。
文章のクセが半端なくて、最初は「あえてオリジナリティを出すために、無理してこんな文体にしてるんだろうなぁ…」と思ったくらいです。
なので、最初は若干読むのが辛かったです。なんか、3ヶ月間くらい熟成させた刺身(ほぼ腐ってる)を食べさせられてるかの様で…笑
例えば、一部を引用しますがこんな感じの文体です。
自分には全く未知なる世界なので、その時点で私は歴史上の人物の中では土方さんが一番好きだ。ここで断っておくが、私は歴史にも史実上の新撰組にもそれほど詳しくない。ただ単に、歴史創作で土方さんは大抵カッコよく描かれているので好き、という典型的かつCHA-LA HEAD-CHA-LAオタクである。ホンモノの歴史ファン新撰組ファンからすれば苦々しい存在だろうが、こういう奴ほど金を落として歴史業界が潤ったりもするので、痛し搾し臭しキモし、という気持ちで許してほしい。
終始こういったテイストの文章となっています 笑
ただ、読み進めていくうちに分かりました。
「これは、無理して書いているんじゃなくて、この人の頭の中を文章にしたらこうなるんだ」
と。
つまり、素でこんな文章を書いているっていうこと。
ある意味、天才。
こうやって、自分の好きなことを自分なりの表現で伝えられるっていうのは本当に凄いことで、僕もこうやって文章を書いていますが、自分の思っていることや感じていることを文章で表現するのってめちゃくちゃ難しいんですよね。
多分、この本についても言いたいことの2割も上手く表現できていない。
そういった意味でも、この本っていうのは読んでみる価値があると思います。
短編なので1つずつはサクッと読めるし、何しろ全く未知なる世界と独特の文章を見せてくれるので、めちゃくちゃお勧めです。
何かしらの参考になれば。
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