一時期、ネット界隈で『QOL(クオリティ・オブ・ライフ)』っていう言葉が流行っていました(今でも流行ってるのかな?)。
「人生の質を高めるためには?」みたいな文脈でこの『QOL』って言葉が出てくるのですが、当時僕は「QOLを高めるためには〜」とドヤ顔で言っている人たちのQOLが、どーーしても高いとは思えませんでした。
それは多分、その人達の『QOL』という言葉の定義が『お金を稼いで贅沢な暮らしをすること』と同義だったからだと思います。
それはそれで、その人達の考え方なので否定はしないですが、それを聞いた僕は「人生の質って本当にお金によるものなんだろうか?」っていう漠然とした疑問があったので、その人たちに共感できなかったんだと思います。
ただ、「じゃあ、お前にとってのQOLの定義は?」と聞かれても、正直答えられないのが現状でした。
そんな時に、木坂氏のセミナーでこの『QOL』がテーマとなった回がありました(『21世紀の帝王学セミナー』のうちの1つとして)。
そこで語られた『QOL』が、まさに僕がぼんやりと思い描いていたものだったので、目からウロコがボロボロ落ちると共に、通勤時に聞くセミナー音声のヘビロテとなりました。
そのセミナーで木坂氏は、QOLについてこう言っています。
ネット界隈でドヤってた人たちは、お金を稼いで(できれば楽して)、そのお金で六本木ヒルズに住んでパーティしたり、フェラーリを乗り回すことが「QOLが高い」ってことだったので、「衣食住にお金をかけろ」っていうのは、それと比較すると大分地味です。
しかも、その衣食住のクオリティっていのは、値段が高ければいいっていうものでもない、ってなると、いよいよお爺ちゃんのお説教みたいに聞こえてくるかもしれません (笑)
でも、それが本質。
生活の土台である『衣食住』のクオリティを上げていけば、それがそのまま人生のクオリティに直結するんだ、と。
ただ、ここで難しいのが、
「じゃあクオリティの高い衣食住ってなに?」
といった疑問に対する答えです。
ここで重要なのが『クオリティ』の定義です。『クオリティ』、つまり分かりやすく言い換えると『価値』ですね。
この『価値』っていうのは、究極的には主観的なもの、つまり人によるものです。
例えば、コンビニでペットボトルの水が100円で売られていたとします。そうすると、客観的にはそのペットボトルの水の価値は100円ということになりそうです。
ただ、その同じペットボトルの水を、砂漠に持っていたったら、10万円で買う人もいるかもしれません。その人にとっては、その水の価値は10万円ということになります。
そんな感じで、価値っていうのは主観的であり、人によるもの、っていう前提で、木坂氏は『価値』についてこんな風に説明しています。
『説明できる価値』っていうのは簡単で、例えば靴であれば、「この靴の素材は本革だから、合皮の靴より価値が高い」みたいな感じで、言葉にして説明ができる価値のことです。
木坂氏が出していた例としては、マイセンのお皿なんかは、描かれている絵によって価値が決まるそうです。実際に、それによって値段が決まってくる。
だから、木坂氏的にはマイセンは『説明できる価値』に入るそうです。
一方、『説明できない価値』が厄介で、まさにそれは説明ができない領域なので、自分で感じとるしかない。
「言葉では説明できないんだけど何となくいい」
っていう、完全なる主観になってきます。
でも、これって結構経験あると思います。なんか分からないけど、ビビッときて買っちゃう服とか。
さっきのお皿の例で言うと、木坂氏的にはマイセンの様な西洋のお皿には『説明できる価値』をみていて、逆に『説明できない価値』を感じるのは東洋のお皿だそうです。
で、この『説明できる価値』と『説明できない価値』のどちらを優先するか?というと、それは『説明できない価値』の方だそうです。
例えば「この靴は本革で職人が手作業で作ったものだ」っていう『説明できる価値』は理解できるけど、「なんか分からないけどイヤだ」と思ったら、そっちの感覚を優先して「買わない」という判断をするべきだ、ってことです。
逆に『説明できる価値』は高くない合皮の靴だとしても、「なんかイイ!」と思ったら買うべきってことです。
値段が高ければクオリティが高いわけじゃない、って言ったのはそういうことです。
こんな感じで、生活の土台である『衣食住』に対して、妥協することなく価値を求めていけば、自分の人間としてのステージも上がって、それが『QOLが高い』状態になるってことです。
これは、例えば今から始めて1ヶ月後に実感できる、とかっていう話ではなく、10年後、20年後の人生のクオリティを上げていくといった感覚で取り組むべきだそうです。
すぐに何かが変わるわけじゃない。ただ、10年後、20年後の人生の質は確実に上がっている。
そういった、長期的なスパンで、僕も少しづつ『衣食住』のクオリティを上げていきたいと思っています。
何かの参考になれば。